- “静かな負担”に気づいた朝
日課のラジオ体操
今朝も、いつものように近所の公園へ。
ラジオ体操の音楽が流れ、体を伸ばして、軽くひねって、最後に深呼吸。
はい、今日も無事に終了です。

そして、出席簿に丸印を書いて、毎月1回、その日数分のシールをいただく。
このシールをノートに貼って貯めると、まとめて振り込まれる仕組みで――
1回あたり、20円。
「よし、今日も20円ゲットだ(笑)」
…と、軽く冗談を言いながら、ふと思ったんです。
「これ、誰のお金なんだろう?」
小さなご褒美、大きな意味
私の住んでいる地域では、
・ラジオ体操の参加でポイント(実質20円)
・公共施設が100円で利用可能
・焼却場横の温水プールや銭湯が格安
といった、高齢者向けの福祉サービスがあります。
他の自治体では、バスが無料になったり、もっと手厚いところもあるようです。
正直に言えば、ありがたいです。
年金生活に入ると、こうした「ちょっとした優遇」は、地味に効いてきます。
コーヒー1杯分、いや缶コーヒー半分くらいかもしれませんが、
それでも「得した気分」になるのは事実です。
でも、冷静に考えてみる
1回20円。
月に20回参加しても400円。
年間でもせいぜい5,000円くらい。
金額だけ見れば、決して大きなものではありません。
それでも、なぜこういう制度があるのか。
理由ははっきりしています。
「健康維持」です。
ラジオ体操に来る人は、毎日外に出る。
顔見知りができて、会話が生まれる。
体も動かす。
これだけで、転倒リスクは下がり、認知症の予防にもつながる。
もし、ここに来ている誰かが寝たきりになれば、
年間で何百万円もの医療・介護費がかかる可能性があります。
そう考えると――
「20円で健康が維持できるなら、むしろ安い投資」
とも言えるわけです。
これは、ちゃんと合理的な政策です。
高齢者医療費の“実質推移”
| 年 | 高齢者医療費(推定) |
|---|---|
| 1990年 | 約8〜10兆円 |
| 2000年 | 約15兆円 |
| 2010年 | 約20兆円 |
| 2020年 | 約23兆円 |
| 2023年 | 約25兆円前後 |
実は、日本の医療費はこの30年で約2.4倍に増えています。
1990年に約20兆円だったものが、2023年には約48兆円にまで膨らみました。
その中で、高齢者が占める割合は半分以上。
つまり――
医療費増加の主役は「高齢化」です。
さらに言えば、75歳以上になると、
1人あたり年間100万円近い医療費が使われています。
そしてその大半は、税金と現役世代の負担です。
一方で、もう一つの流れ
そんなことを考えていたとき、ふと頭に浮かんだのが、
「独身税」の話です。
正式な名称ではありませんが、
子育て支援のために、社会保険料が上乗せされる仕組み
あれです。
気づかないうちに、じわっと負担が増えていく。
毎月数百円、数千円。
でも年間で見れば、そこそこの金額になります。
しかもこれは、
「もらう」のではなく「払う」側の話です。
見える優遇、見えない負担
ここで、少し整理してみます。
高齢者福祉は――
目に見える
・シールがもらえる
・施設が安い
・サービスが分かりやすい
だから、実感があります。
一方で、独身税のような仕組みは――
目に見えにくい
- 給与から天引き
- 制度が複雑
- 「なんとなく増えている」
だから、実感が薄い。
つまり、
「見える優遇」と「見えない負担」
この構造になっているわけです。
どちらが良い・悪いではない
ここで誤解してほしくないのは、
「高齢者が得している」
「現役世代が損している」
という単純な話ではない、ということです。
高齢者福祉には理由があります。
- 健康維持
- 孤立防止
- 医療費削減
これは社会全体にとってプラスです。
子育て支援にも理由があります。
少子化対策
将来の納税者の確保
社会の維持
これもまた、必要な政策です。
どちらも正しい。
でも――
「誰が、どのくらい負担しているか」
ここが見えにくい。
いずれ自分も通る道
ここで、もう一つ大事なことがあります。
それは、
「人は必ず立場が変わる」
ということです。
現役世代は、いずれ高齢者になります。
独身の人も、結婚するかもしれないし、しないかもしれない。
子育て世代も、やがて子どもが独立すれば支える側に回る。
つまり、
今は「払う側」でも、将来は「もらう側」になる
だからこそ、この問題は
「誰かの問題」ではなく「自分の問題」
なんです。
朝の20円から見えたもの
今朝もまた、ラジオ体操に行ってきました。
体を動かして、シールを1枚。
「今日も20円」
相変わらず、金額としては小さなものです。
でも、その20円の裏には、
- 健康維持という意味
- 社会保障という仕組み
- 誰かの負担
がある。
そう考えると、この20円は単なる「ご褒美」ではなく、
「社会の縮図」
のようにも見えてきます。
まとめ
高齢者福祉と独身税。
一見、全く別の話に見えますが、
「もらう側」と「払う側」
「見えるもの」と「見えないもの」
という形で、しっかりつながっています。
大切なのは、
「どちらが得か、損か」ではなく
「どういう仕組みで回っているのか」
を知ること。
そして、
将来の自分はどちらの立場にいるのか
を、少しだけ想像してみること。
明日もまた、公園でラジオ体操をしながら、
そんなことを考えてみようと思います。
もちろん――
「20円、しっかりいただきながら(笑)」



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