- 65歳を過ぎると、病院通いと免許更新が急に現実味を帯びてくる
病院へ行くことが月間スケジュールの一部
先週は、顎が痛くて歯医者へ。 そして昨日は、加齢黄斑変性症で定期的に通っている眼科へ。 さらに来週は、高脂血症で通っている内科の予約が入っています。
4月に国民健康保険へ切り替えてから、まだ2か月半ほどしか経っていません。それなのに、すでに病院通いは5回目。若い頃なら、半年に一度病院へ行けば「最近、体調が悪いのかな」と思ったものですが、65歳を過ぎると違います。病院へ行くことが、ほとんど月間スケジュールの一部です。
手帳に書けば、 「歯医者」 「眼科」 「内科」 「薬局」 「次回予約」 と、まるで高齢者向けスタンプラリーのようです。ただし、景品はありません。もらえるのは処方箋と次回予約票です。
それでも、これだけ医療機関に通えるのは、やはり健康保険があるからです。もし全額自己負担だったら、歯医者の椅子に座った時点で、顎より財布の方が痛くなっていたかもしれません。
加齢黄斑変性症は「治った」ではなく「落ち着いている」
昨日の眼科では、いつものように検査を受けました。眼球内の神経の写真を撮り、視力を測り、医師の診察を受けます。
私の左目は、加齢黄斑変性症で通院しています。幸い、現在は眼球内の腫れは落ち着いているとのことでした。ただし、ここで大事なのは「治った」ではないということです。医師の説明でも、状態としては「落ち着いている」。つまり、悪化はしていないけれど、元通りになったわけではありません。
このあたりが、年齢を重ねた体との付き合い方の難しいところです。
若い頃なら、風邪をひいても、怪我をしても、時間が経てば元に戻る感覚がありました。しかし65歳を過ぎると、「元に戻る」よりも「これ以上悪くならないように維持する」という考え方が増えてきます。
車で言えば、新車同然に戻すのではなく、定期点検をしながら、だましだまし乗る感じでしょうか。ただ、車なら部品交換できますが、人間の目はそう簡単にはいきません。
「左目ユニットを新品に交換してください」
と眼科で注文しても、ディーラーのようには対応してくれません。当然ですが、純正部品も社外品もないのです。
左目だけでExcelを見ると、罫線がグネグネする
今の左目の見え方を説明すると、なかなか言葉にしにくいのですが、左目だけでExcelの表を見るとよく分かります。横罫線がまっすぐに見えません。まるで網戸を鉛筆で何度も突いたように、線がグネグネと歪んで見えます。セルに入っている数字や文字も、左目だけでは読みづらい状態です。
Excelというのは、仕事をしていた頃から長い付き合いです。表計算、見積、管理表、資料作成。営業職とはいえ、私の仕事人生はExcelとWordにかなり支えられてきました。そのExcelの横罫線が、左目だけで見るとグネグネする。これはなかなかショックです。
若い頃なら、Excelの仕様に文句を言うことはあっても、自分の目の方が罫線を曲げて見ているとは思いませんでした。
もっとも、両目で見ると不思議なことに、その歪みはかなり補正されます。右目が頑張ってくれているのでしょう。人間の目と脳は、本当によくできています。片方の目が多少サボっても、もう片方がフォローし、脳がうまく処理してくれる。
まるで夫婦のようです。どちらかが忘れても、もう片方が覚えている。どちらかが勘違いしても、もう片方が訂正する。ただし、我が家の場合は、訂正されるのはだいたい私の方です。
今年は免許更新の年だった
そして、ここで一つ大きな問題があります。私は9月生まれなのですが、今年は自動車運転免許の更新があるのです。
免許証を見ると、私が免許を取ったのは1978年。18歳の大学1年生で地元の自動車教習所に通い、19歳の誕生日の翌週、兵庫県明石市の免許センターで取得しました。それから今年で49年目になります。
49年。よく考えると、これはなかなか長い年月です。当時はスマホもカーナビもなく、道を調べるには紙の地図でした。目的地に着けるかどうかは、地図を読む能力と、勘と、時々まったく役に立たない同乗者の「たぶんこっち」に頼る時代でした。
それが今では、車にナビがあり、スマホがあり、渋滞情報もリアルタイムで分かります。車の安全性能も大きく進化しました。私もスバル車に長く乗り、今ではアイサイトのある車が当たり前のようになっています。
ただし、どれだけ車が進化しても、運転する本人の目が基準に届かなければ話になりません。
車は進化している。ナビも進化している。安全装置も進化している。しかし、運転者の目は、残念ながら昭和34年式です。しかも、49年どころか67年物です。クラシックカーなら味がありますが、人間の目の場合は、味があるだけでは免許更新できません。
普通免許の視力基準と、本番への弱さ
免許の更新に必要な視力基準
普通自動車第一種免許の更新に必要な視力基準は、次のようになっています。
- 両眼で0.7以上
- かつ、一眼がそれぞれ0.3以上
左右それぞれにも一応の目安があります(※もし片眼が0.3未満になっても、もう片方が0.7以上あり、視野が左右150度以上あれば合格できる特例はあります)。
これは裸眼視力ではなく、眼鏡やコンタクトレンズを使った「矯正視力」で構いません。私の場合、もともと自動車運転のために昨年眼鏡を作り直しています。ですから、普通に考えれば問題ないはずでした。
本番に弱い私
ところが、その後に加齢黄斑変性症の影響で、左目の視力が落ちています。今回の眼科での検査結果では、矯正視力で「左0.4、右0.8」でした。
数字だけ見ると、左右とも0.3を超えていますし、両眼になれば0.7以上という基準もクリアできそうです。
しかし、問題はそこではありません。私は、何事も本番に弱いのです。
試験、面接、発表、健康診断、血圧測定。だいたい本番になると、普段より悪い数字を出すタイプです。血圧なども、家で測ればそれほどでもないのに、病院で測ると少し高めに出る「白衣高血圧」に近いものがあります。
となると、免許更新の視力検査でも、「今日はちゃんと見えるだろうか」と思った瞬間に、目が緊張するかもしれません。

視力検査のあの「C」のマーク(ランドルト環)。上、下、右、左を答えるだけなのに、なぜか妙な緊張感があります。見えているような、見えていないような。右のような、下のような。いや、そもそも開いている場所が分からない。あの瞬間だけ、視力ではなく「勘」で勝負しているような気分になります。
視力検査に落ちたら、即免許取り消しではない
では、免許更新時の視力検査で基準に届かなかったら、どうなるのでしょうか。
調べてみると、いきなり免許を取り消されたり、その場で運転禁止(免許停止)になったりするわけではありませんでした。これは少し安心しました。基本的には、その日は手続きが「保留」となり、後日に再検査を受けることになります。
眼鏡やコンタクトレンズを作り直し、免許の有効期限内に視力基準を満たせば、無事に更新できます。流れとしては、次のような形です。
- 視力検査で基準に届かない(当日の更新は保留)
- 眼鏡やコンタクトを調整する(必要なら眼科を受診)
- 更新期限内に再検査を受ける
- 基準を満たせば、更新完了!
つまり、視力検査で一度不合格になったからといって、「はい、今日から徒歩です」とその場で免許を没収されるわけではないのです。
とはいえ、安心しすぎてもいけません。大事なのは、「免許の有効期限内に」再検査を受けて合格する必要があるということです。更新期限を過ぎてしまえば、当然ながら免許は失効してしまいます。
特に私のように、定期的な通院や検査が必要な目の状態である場合は、更新期限ギリギリに行くのは危険です。「念のため早めに行く」。これは高齢者の免許更新に限らず、人生全般に言える教訓かもしれません。
若い頃はギリギリでも何とかなることが多かった。しかし65歳を過ぎると、ギリギリは危険です。体も、役所の手続きも、眼鏡の出来上がりも、若い頃ほど都合よくは動いてくれません。
眼科医に相談して、8月に再確認することに
今回、眼科医にも「免許更新の視力が心配だ」と相談しました。すると、免許更新の可能な誕生日の1か月前、8月の通院時に、眼鏡を掛けた状態でしっかり検査してみましょうという話になりました。
もし、その時点で運転免許の視力基準をクリアするのが難しそうであれば、白内障手術も視野に入れて検討しましょう、とのことです。
白内障。ついにこの言葉が現実味を帯びてきました。
もちろん、白内障手術は珍しいものではありません。周囲でも受けた人はいますし、今ではごく一般的な手術になっています。とはいえ、自分の目の手術となると、やはり気持ちは簡単ではありません。歯医者で口を開けているだけでも緊張するのに、目の手術となると、想像しただけで肩に力が入ります。
ただ、運転免許の更新だけでなく、日常生活を考えても「見え方」はとても大切です。車の運転、買い物、パソコン作業、ブログの執筆、スマホの文字、新聞、テレビの字幕。目が見えにくくなると、生活全体の自由度が下がります。それを考えると、必要な治療を先送りしすぎるのもよくありません。
75歳までは運転するつもりだった
私は、75歳頃に免許返納を考えています。
65歳で退職した際、今の車を「終の車(ついのくるま)」として考えました。あと10年運転し、その後は免許返納する。そんな計画でした。
幸い、自宅は駅と総合病院を結ぶバス路線の途中にあります。バス停も近く、いざ免許を返納しても生活できる場所を選んだつもりです。
とはいえ、今すぐ返納したいわけではありません。まだ行きたい場所もありますし、車で出かけたい場所もあります。買い物にも、通院にも使います。やはり自分の車で移動できる自由は大きいです。
もちろん、年齢とともに無理はできません。夜間運転や雨の日の運転は今後ますます慎重になる必要があります。最悪な夜間の雨の一般道は運転したくありません。それでも、今年はまだ67歳。予定より7年も早く免許返納というのは、正直まだ受け入れたくありません。
75歳返納予定だったのに、67歳で返納となれば、人生計画の前倒しにもほどがあります。まるで、定年退職後の資金計画で、80歳まで使う予定だったお金を70歳で使い切るようなものです。これは困ります。
健康保険があるからこそ、早めに対応できる
今回、改めて感じたのは健康保険のありがたさです。
4月から国民健康保険に切り替えました。まだ納付通知が来ていないので正確な保険料は分かりませんが決して安くないはずです。年金生活に入ると、国民健康保険料の重さはかなり実感します。
しかし一方で、こうして歯医者、眼科、内科にきちんと通えて、検査を受けられ、薬をもらい、今後の治療方針を相談できるのは大きな安心です。
もし健康保険がなければ、目の検査一つでも受診をためらっていたかもしれません。「もう少し様子を見よう」「まだ大丈夫だろう」「お金がかかるから次にしよう」そうやって先送りしているうちに、本当に悪化してしまうこともあるでしょう。
そう考えると、保険料は痛いけれど、必要なときに医療を受けられる仕組みはやはりありがたいものです。
特に高齢になると、病気は突然大きく始まるというより、じわじわと生活の中に入り込んデスきます。歯が痛い、目が見えにくい、血液検査の数値が高い、薬が増える、検査が増える、次回予約が増える……。一つ一つは小さなことでも、気がつけば「通院生活」が日常になります。それを支えているのが健康保険なのだと思います。
免許更新まで、ちょっとハラハラの2か月
今年の免許更新まで、少しハラハラする2か月が始まりました。
視力検査そのものは、たった数分のことです。しかし、その数分の結果によって、今後の運転生活が左右されるかもしれません。
左0.4、右0.8。数字の上では何とかいけそうです。ただし、本番に弱い私の目が、更新当日にどこまで頑張ってくれるか。できれば、当日は目にも言い聞かせたいところです。
「今日だけは頼む。Excelの罫線は多少グネグネしてもいいから、免許センターのCだけは見えてくれ」
もちろん、冗談を言っている場合ではありません。安全運転のためには、視力は本当に大切です。自分では大丈夫と思っていても、見え方が悪くなれば判断が遅れます。標識、信号、歩行者、自転車、車間距離。運転に必要な情報の多くは目から入ってきます。だからこそ、免許更新の視力検査は単なる形式ではありません。自分がこれからも安全に運転できるかどうかを確認する大事な機会です。
今回は、眼科医と相談しながら、8月にもう一度しっかり確認します。必要なら眼鏡を再調整し、さらに必要なら白内障手術も検討する。
19歳の時の私に言いたい
まだ免許返納はしたくありません。しかし、無理をして運転を続けるつもりもありません。安全に運転できる状態を保ちながら、できれば75歳頃まで自分の車で移動したい。それが今の正直な気持ちです。
49年目の免許更新。19歳で明石の免許センターに行った頃は、まさか将来、自分が加齢黄斑変性症や白内障手術の可能性を考えながら免許更新を迎えるとは思ってもいませんでした。
それどころか、加齢黄斑変性症の存在も知りませんでした。
あの頃の自分に言ってやりたいです。 「車の運転より、まず目を大事にしろ」 ついでに、 「近視の人は年を取ると眼鏡がいらなくなる。という人がいたけれど、近くも遠くも見えなくて、結局、遠近両用眼鏡が必要になるぞ」 とも言っておきたいです。
とにかく、まずは8月の眼科検査。そして9月の免許更新。私の目には、あと少し頑張ってもらいます。できれば、免許センターの視力検査では、Cの開いている方向を素直に見せてほしいものです。
人生67年、免許49年目。ここで視力検査にまでツンデレされると、さすがに困ります。


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