- 年金生活者が街路灯を撮影して小遣い稼ぎ
老人に新しい仕事が舞い込んできた
街を歩きながら電柱などの設備を撮影し、ポイントを獲得するという、一風変わったゲームです。
普通のウォーキングアプリなら、歩数を数えて「今日はよく歩きましたね」と褒めてくれる程度ですが、ピクトレは少し違います。
歩いた先で写真を撮れば、お金に交換できるポイントがもらえるのです。
年金生活者にとって、これはなかなか魅力的な話です。
何しろ、毎日歩いても誰も給料を払ってくれません。
それどころか、歩きすぎて靴がすり減れば、新しい靴を買わなければならない。
健康のために歩いているのに、財布の方が不健康になるという困った現象が起きます。
ところが、ピクトレなら歩いて写真を撮ることで、わずかながら収入になる。
これはいい。
もちろん、私の目的はお金ではありません。
健康のためです。
ただし、お金がもらえるなら、ありがたくいただきます。
ここは年金生活者として、実に重要なところです。
今回のミッションは商店街の街路灯
さて、そのピクトレで新しいミッションが始まりました。
今回の対象は、私の暮らす街にある「商店街の街路灯」です。
街路灯というのは、商店街の道路沿いに立っている照明設備のこと。
普段は何気なく通り過ぎていますが、改めて探してみると、あちらこちらに立っています。
今回のミッションでは、その街路灯を撮影して報告すると、1本につき10円相当のポイントが付く仕組みです。
ただし、写真を1枚撮れば終わりというわけではありません。
1本につき、次の5枚を撮影しなければなりません。
- 街路灯の全体
- 街路灯の上部
- 街路灯の下部
- 街路灯の根元
- 「○○商店会」などと書かれたプレート
つまり、1本10円で5枚の写真。
写真1枚あたり、なんと2円!
これを職業カメラマンに依頼したら、間違いなく断られるでしょう。
しかも、街路灯によってはプレートが見つからなかったり、撮影する角度に苦労したりします。
上を見上げ、下をのぞき込み、少し離れて全体を撮影する。
街路灯を相手に、なかなか忙しいものです。
通りがかりの人から見れば、街路灯の根元を熱心に撮影している怪しい老人に見えるかもしれません。
しかし、本人はいたって真面目。
何しろ、今撮っている写真には2円の価値があるのです。
初日は6.7km歩いて600円
昨日は、さっそく街路灯の撮影に出かけました。
午前中に1時間45分。
そして午後から、もう40分。
合計2時間25分、約6.7km歩いてきました。
撮影した街路灯は61本です。
1本につき5枚ですから、写真の枚数は合計305枚。
普段、旅行に出かけても、1日に305枚も写真を撮ることはそうそうありません。
ところが今回の被写体は、すべて街路灯。
美しい風景でもなければ、珍しい動物でもありません。
ひたすら鉄の柱です。
写真愛好家としては、少々複雑な気分になります。
そして、気になる報酬は610円相当。
100円単位でAmazonギフト券に交換できるため、交換可能な金額は600円です。
さて、ここで計算してみましょう。
2時間25分働いて600円。
時給にすると約248円です。
時給250円にも届かない!
これでは、とても仕事にはなりません。
もし現役時代の私が、営業先から「時給250円で働いてくれませんか?」と言われたら、丁重にお断りしていたでしょう。
ところが現在の私は、自分から進んで街灯を撮影しています。
人間、定年を過ぎると価値観が変わるものです。
いや、単に暇になっただけかもしれません。
2日目も元気に街路灯探し
そして今日。
昨日あれだけ歩いたのだから、今日は休めばいいものを、また出かけてしまいました。
午前中に1時間40分。
歩行距離は5.2km。
撮影した街路灯は34本でした。
1本10円ですから、340円相当。
Amazonギフト券に交換できるのは300円分です。
2日間の成果をまとめてみました。
| 項目 | 1日目 | 2日目 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 歩行時間 | 2時間25分 | 1時間40分 | 4時間5分 |
| 歩行距離 | 6.7km | 5.2km | 11.9km |
| 撮影した街路灯 | 61本 | 34本 | 95本 |
| 撮影した写真 | 305枚 | 170枚 | 475枚 |
| 獲得予定ポイント | 610円相当 | 340円相当 | 950円相当 |
※ポイントは、すべての撮影が審査で承認された場合の金額です。Amazonギフト券への交換は100円単位です。
2日間で約12km歩き、街路灯95本、写真475枚。
そして、交換可能な金額は900円。
実に立派な成果です。
何が立派なのか、自分でもよく分かりませんが。
ラジオ体操45日分を2日で稼いだ
ここで、普段利用しているラジオ体操のポイントサービスと比較してみます。
私の場合、ラジオ体操をすると1日20円相当のポイントが付きます。
健康のために体を動かして、20円。
それだけでもありがたい話です。
ところが今回のピクトレでは、たった2日間で900円分のAmazonギフト券に交換できるポイントを獲得する計算になりました。
年金生活者に、思わぬ経営判断が求められています。
900円を20円で割ると45日。
つまり、ラジオ体操45日分の報酬を、たった2日で稼いだことになります。
これは大変なことです。
もっとも、ラジオ体操は10分ほどで終わりますが、ピクトレは2日間で4時間以上歩いています。
労働効率を比較するのは、あまり意味がありません。
そもそも、どちらも労働ではないのですから。
私が本当に欲しいのは、900円ではありません。
健康な体です。
ただ、健康な体に900円のおまけが付いてくるのなら、断る理由もありません。
900円あれば、ちょっとした昼食代になります。
最近は物価が上がって、900円で昼食を食べられる店も限られてきましたが、スーパーでお弁当を買うなら十分でしょう。
ただし、2日間歩いて腹が減り、帰り道で1,000円の食事をしたら100円の赤字です。
健康には良くても、家計には悪い。
このあたりが、年金生活者の小遣い稼ぎの難しいところです。
街路灯が教えてくれる、昔の商店街
今回、街を歩いていて、報酬以上に面白いと感じたことがあります。
私はこの街に引っ越して来て約30年になりますが、それでも昔の街並みを思い出すことです。
今回の撮影対象は商店街の街路灯です。
ところが、街路灯が立っている場所に、必ずしも商店があるとは限りません。
すでに閉店して、シャッターが下りたままの店。
取り壊されて駐車場になった場所。
新しい住宅が建ち、商店街だった面影さえ残っていない場所。
そんなところにも、昔の商店街の街路灯だけが残っていたりします。
そして、その街路灯を撮影しているうちに、ふと思い出すのです。
「あれ? ここ、昔は魚屋さんだったよなあ」
「あの角には八百屋さんがあったような……」
そういえば、昔の商店街には魚屋、肉屋、八百屋、豆腐屋、電器屋など、いろいろな店が並んでいました。
夕方になると買い物客が行き交い、店先から威勢のいい声が聞こえてきたものです。
ところが、今ではすっかり住宅街になっている場所もあります。
街路灯だけが、かつてそこに商店街があったことを覚えているようです。
そんな風景を眺めながら歩いていると、単なるウォーキングとは違う楽しさがあります。

昔の街を思い出す、小さな時間旅行です。
年を取ると昔話が増えると言いますが、街路灯をきっかけに昔を思い出すとは、なかなか想像していませんでした。
写真1枚2円ですが、思い出には値段が付きません。
ちょっと格好をつけすぎましたかね。
世の中には、とんでもない猛者がいる
ピクトレにはランキングがあります。
ほかの参加者が、どのくらいポイントを獲得しているのか確認できます。
見てみると、私の2倍以上のポイントを獲得している人がいます。
いやはや、すごいものです。
きっと若くて、歩くのも速いのでしょう。
あるいは、自転車などをうまく使って、効率よく撮影しているのかもしれません。
私の場合、1本撮影するたびに立ち止まり、5枚の写真を撮って、また次の街路灯まで歩きます。
途中で気になる建物があれば眺めたり、昔の店を思い出したりもします。
ランキング上位の人が、次々と街路灯を撮影している間に、こちらは「あそこは昔、何屋さんだったかな?」と考えているのです。
勝負になるはずがありません。
しかし、ランキングで上位を目指す気持ちはありません。
私の目的は健康維持。
歩くことが大切なのです。
……とはいえ、ランキングを見ると、ついつい獲得ポイントを計算してしまいます。
人間の欲というのは、なかなか消えないものです。
早い者勝ちの街路灯争奪戦
今回の街路灯ミッションには、ちょっと厳しいルールがあります。
原則として、2番目以降に同じ街路灯を撮影しても、ピクトレの報酬ポイントは付きません。
つまり早い者勝ちです。
商店街の街路灯は、道路沿いに並んでいます。
たくさんあるから大丈夫だろうと思っていても、誰かが先に撮影してしまえば、その街路灯は報酬対象から外れてしまいます。
今回のミッションは、10月9日から11月4日まで。
対象となる街路灯は、全部で2,471本あります。
ところが、今日のお昼の時点で、すでに1,000本以上が撮影済みになっていました。
(もっとも、そのうち95本は私が撮影したのですが)
開始から間もないのに、なかなかの勢いです。
この調子では、今回の三連休明けには撮影対象がなくなってしまうでしょう。
街路灯は逃げませんが、報酬は逃げていきます。
なんとも不思議な競争です。
私の徒歩圏内にある商店街は、すでに一通り撮影してしまいました。
これ以上撮影しようと思えば、少し離れた商店街まで出かけなければなりません。
バスを使うか、自転車で移動するか。
しかし、ここで問題があります。
例えばバス代を往復400円払って、街路灯を30本撮影したら、報酬は300円。
差し引き100円の赤字です。
これでは本末転倒。
一方、自転車なら交通費はほとんどかかりませんが、今度は歩く距離が減ってしまいます。
小遣い稼ぎを優先するのか。
健康づくりを優先するのか。
たかが街路灯の写真撮影なのに、なかなか奥が深いものです。
もうひとつのポイントサービスも気になる
ちなみに、今回の街路灯撮影では、市が発行している別のポイントサービスもあるようです。
こちらは、ピクトレで誰かが先に撮影していても、ポイントが付く場合があるような説明になっています。
もしそうなら、駅前の商店街など、すでに撮影済みの街路灯でも楽しめるかもしれません。
ただし、条件はまだ十分に確認できていません。
今度、駅前まで出かける機会があれば、実際に試してみようと思います。
もちろん、わざわざ交通費をかけてまで行くつもりはありません。
あくまで、健康のためのお散歩ですから。
稼ぐために歩くのではない。歩くついでに稼ぐのだ
今回、2日間のウォーキングで歩いた距離は約12km。
時間にして4時間あまり。
撮影した街路灯は95本。
すべて承認されれば950円相当のポイントになります。
時給換算すれば、約233円。
仕事として考えれば、とても割に合いません。
しかし、ここで考え方を変えてみます。
私は、もともと健康維持のために歩こうと思っていたのです。
ピクトレがなくても、ウォーキングはするつもりでした。
それなら、歩くついでに街路灯を撮影して、少しばかりAmazonギフト券をいただいても、何も問題はありません。
健康のために歩く。
街の変化を楽しむ。
昔の商店街を思い出す。
そして、ほんの少しお金も稼ぐ。
これだけ楽しめるのなら、年金生活者の遊びとしては十分ではないでしょうか。
ただし、ひとつ心配なことがあります。
街路灯を探すことに夢中になりすぎて、歩くことよりポイントを稼ぐことが目的になってしまうことです。
私も、ランキングでは争う気がないと言いながら、しっかり獲得ポイントを確認しています。
「健康のためだ」と言いつつ、あと1本撮れば10円増えると考えてしまう。
そして、もう1本、もう1本と歩き続ける。
この調子では、健康のために始めたウォーキングなのに、疲れ果てて帰宅することになりかねません。
もっとも、年金生活者には時間があります。
急いで撮る必要はありません。
若い人にはスピードで負けても、こちらには年の功があります。
街路灯を撮影しながら、昔の商店街の姿を思い出すことだってできます。
お金を稼ぐために歩いているのではありません。健康のために歩いているのです。
ただし、写真を撮ったら10円もらえる。
だったら、撮らない手はありません。
今日も元気に、街路灯を探して歩きましょう。
目指すのはランキング1位ではなく、健康寿命の延長です。
でも、Amazonギフト券がもう少し増えると、なおうれしい。
年金生活者というのは、健康にもお金にも、なかなか欲張りな生き物なのであります。


コメント