世の中で一番赤字の仕事は「学生アルバイト」なのかもしれない

- 勉強時間を削ってアルバイトしている若者に

街中が「アルバイト募集」だらけの時代

最近、街を歩いていると、どこへ行っても「学生アルバイト募集」の文字を見かけます。

コンビニ、飲食店、ドラッグストア、スーパー、ファストフード。

これから海外からの労働者が制限されるという話を聞くと、

ますます学生アルバイトの需要が高くなるでしょう。

しかも時給を見ると、私の若い頃からすると驚くほど高い。

「時給1400円!」 「深夜は1750円!」

などと書かれていると、思わず、「おお、今の学生は景気がいいな」などと思ってしまいます。

もっとも、その横で、セルフレジに使い方が分からず立ち尽くしているのは私ですが。

時代は進んでいます。

学生アルバイトは本当に“得”なのか?

さて、今日は少々危険な話を書きます。

誤解を恐れずに言うと、

私は以前から、「学生アルバイトって、実はものすごい赤字なのでは?」と思っていました。

当に苦しい学生を否定したいわけではない

もちろん、最初に断っておきます。

本当に生活が苦しく、学費や生活費のために働いている学生を否定する気は全くありません。

むしろ逆です。

本当に勉強したい人には、もっと無金利に近い奨学金制度や、返済負担の少ない仕組みを作るべきだと思っています。

日本は、「学びたい人」に対して、あまりにもお金の負担を背負わせすぎです。

問題はそこではありません。

「遊ぶためのバイト」が当たり前になっていないか

私が気になるのは、「大学へ行っているのに、勉強よりアルバイトが中心になっていないか?」という点です。

最近は、推し活、旅行、ブランド品、飲み会、テーマパーク、ソシャゲ課金......のために、

かなり長時間アルバイトをしている学生も多いように見えます。

もちろん、若いうちに遊ぶことも大事です。

私も学生時代、友人と夜通し麻雀をして、翌日の講義で白目をむいていました。

人のことは言えません。

今の大学生は、学費だけで数百万円の世界

平均的な学費は

しかし、今の大学の学費を見ると、ちょっと考えてしまうのです。

区分初年度納入金4年間総額の目安
文系約120万円約400〜420万円
理系約160万円約540〜600万円

現在の私立大学の平均的な学費は、
区分初年度納入金4年間総額の目安文系約120万円約400〜420万円理系約160万円約540〜600万円
と言われています。

理系+一人暮らしで「1000万円コース」の現実

さらに一人暮らしなら、

  • 家賃
  • 食費
  • 光熱費
  • 通信費

もかかる。

理系で一人暮らしなら、「卒業まで1000万円コース」も、今では珍しくありません。

時給1500円でも、実はものすごい労働時間

そして多くの場合、そのお金を出しているのは親です。

親世代は、

  • 住宅ローン
  • 老後資金
  • 物価高
  • 社会保険料

に苦しみながら、それでも子どものために学費を払っています。

ところが一方で、

「今日、バイトだるい」

「昨日、深夜シフトだったから授業寝てた」

「単位落とした」

という話も聞こえてくる。

いやいや待ちなさい、と。

それ、何のために大学へ行っているのですか、と。

試しに計算してみます。

時給1500円で、年間150万円の学費を稼ぐには、1000時間働く必要があります。

1000時間。

これ、かなりの労働時間です。

さらに学費や生活費を考えると、大学生活全体では、場合によっては数千時間分のコストがかかっている。

「昼は大学生、夜は準社員」という生活

つまり、「大学へ行きながら、別の仕事をかなりの時間やっている」状態です。

下手をすると、「昼は大学生、夜は準社員」です。

講義1コマの時間で何を得ているか

大学の講義1コマ(90分)を金額に換算すると、

実は約3,000円〜5,000円の価値(学費÷講義数)があると言われています。 

つまり、「バイトがだるくて授業をサボり、時給1500円を稼ぎに行く」というのは、

3000円の価値を捨てて1500円を拾いに行っているようなもの。

これこそが、私が「学生バイトはものすごい赤字」だと思う理由です。

勉強時間を削ってまで働くのは本末転倒では?

しかも恐ろしいのは、

その結果、勉強時間が削られることです。

私は最近、本当に心配しています。

日本の若者は、世界との競争の中で、どんどん不利になっているのではないか、と。

昔の日本は「真面目に勉強」が強かった

昔の日本は、真面目に勉強して良い会社に入りコツコツ働くことで、かなり高い確率で生活が安定しました。

そして1980年代頃の日本企業は、本当に強かった。

自動車、家電、半導体。

「Japan as No.1」

などという本まで出た時代です。

IT・AI時代、日本はなぜ苦戦しているのか

ところが今はどうでしょう。

  • IT
  • AI
  • 半導体
  • ソフトウェア
  • 金融
  • 巨大プラットフォーム

多くの分野で、世界の主導権は海外企業です。

もちろん日本にも優秀な人はいます。

ただ、教育の方向性が、少し世界とズレている気がするのです。

日本は今でも、

  • 正解を当てる
  • ミスしない
  • 空気を読む
  • 協調性

を重視する傾向があります。

これは日本社会を安定させる強みでもあります。

中国・インドのトップ層との競争

しかし世界では、

  • 議論する
  • 起業する
  • リスクを取る
  • 自分で考える

力が強く求められている。

特に中国やインドのトップ層は、想像以上に激しい競争をしています。

中国では、数億人規模の競争の中で、

  • AI
  • 数学
  • 理工系
  • 英語

を猛烈に勉強している。

インドでも、IIT(インド工科大学群)などから、世界企業へ人材がどんどん出ていきます。

もちろん、「だから日本は終わりだ」と言いたいわけではありません。

そんな単純な話ではありません。

日本型教育の強みと弱み

日本には、

  • 真面目さ
  • 品質感覚
  • 安全性
  • 現場力

という強みがあります。

実際、日本製品や日本のサービスの細かさは、今でも世界トップクラスです。

ただ、「若い時に集中して勉強する」という部分が弱くなると、将来的にはかなり苦しくなる。

AI時代こそ、基礎学力が重要になる

AI時代だからこそ、基礎学力はむしろ重要になると私は思っています。

なぜなら、AIを使う側に回れるかどうかは、

  • 読解力
  • 論理力
  • 数学力
  • 専門知識

で決まるからです。

本当に勉強したい人を支える社会へ

だから本当は、「勉強したい人は、学費を気にせず徹底的に学べる」社会にした方がいい。

逆に、「大学へ行く目的が曖昧」なら、もっと早く社会へ出る道があっても良い。

私は、それが悪いことだとは思いません。

「とりあえず大学」の時代は終わるのかもしれない

昔の日本は、「とりあえず大学へ」で何とかなった時代でした。

しかし今は、大学へ行くだけで、何百万円、場合によっては1000万円単位のお金が動く時代です。

そう考えると、

「学生アルバイトで月数万円稼いだ!」と喜びながら、その裏で何百万円もの教育コストが流れている。

これはなかなか不思議な構図です。

結局、50年前の私もアルバイトしていました

と、ここまで偉そうに書いてきましたが、最後に白状します。

学生アルバイトは実質赤字

50年前の私も、夏休みになるとアルバイトをしていました。

しかも、「社会勉強のため!」などという高尚な理由ではありません。

車が欲しい。

オーディオが欲しい。

友達と遊ぶ金が欲しい。

実に分かりやすい理由でした。

つまり結局、「昔の若者も、今の若者も、そんなに変わらない」のかもしれません。

昔と今で違うのは「学費と社会の重圧」

違うのは、学費と社会の重圧だけ。

そう思うと、今の学生も、

なかなか大変な時代を生きているのでしょうね。 

※本記事は、筆者自身の経験や調査に基づく情報提供を目的として作成しています。
 投資には価格変動などのリスクがあり、元本割れとなる可能性があります。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行ってください。
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 本記事は、投資助言、税務相談、保険加入等を推奨するものではありません。
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