- また“胃が痛い相場”が始まるのか
メモリアルデーのはずが、不穏なニュース
5月の最終月曜日。 今年2026年は、5月25日がアメリカの「メモリアルデー(戦没者追悼記念日)」です。
アメリカでは祝日となり、多くの企業や官公庁が休み。ニューヨーク証券取引所も休場です。
日本人からすると、「ただのアメリカの祝日」くらいの印象かもしれませんが、アメリカ人にとってはかなり特別な日です。
戦争で亡くなった兵士を追悼し、家族でお墓参りをしたり、庭でバーベキューをしたりして、夏の始まりを感じる連休でもあります。
ある意味、一年の中でも「最も平和な空気」が流れる週末と言っていいかもしれません。
ところが、そのタイミングで飛び込んできたのが、
「アメリカ・イラン間のNPT(核拡散防止条約)関連協議決裂」
というニュースでした。
いやいや。 空気を読んでくれ。 せめて連休くらい静かにしてくれ。
世界中の人々が、そう思ったのではないでしょうか。
市場が恐れているのは戦争そのものではない
今回の件がややこしいのは、単なる外交摩擦では終わらない可能性があることです。
トランプ大統領は、今回のイランに対する軍事行動の最大目的について、「イランに核を持たせないこと」と繰り返し発言しています。
つまり逆に言えば、イラン側が核開発をやめない限り、軍事圧力を継続する可能性があるということです。
市場が嫌がるのは、まさにこういう「出口が見えない対立」です。
しかも、今の市場は戦争そのものより、
- 原油価格
- ホルムズ海峡
- 長期金利
- インフレ期待
この連鎖に神経質になっています。
中東で緊張が高まる
↓
原油価格が上がる
↓
ガソリン価格が上がる
↓
インフレ再燃
↓
FRBが利下げできない
↓
長期金利上昇
↓
ハイテク株急落
という、ここ数年何度も見た「嫌な流れ」です。
最近の相場は“壊れた洗濯機”
特にアメリカ株は、AIブームでかなり高いところまで買われています。
最近のS&P500は、「もう悪材料には慣れた」みたいな顔をしていますが、実際にはかなり神経質です。
ちょっとしたニュースで、
- 先物急落
- ナスダック暴落
- 円安進行
- 「世界崩壊!」
みたいな空気になります。
そして数日後には、「やっぱり大丈夫でした」と半分戻る。
最近の市場、こればっかりです。
私はS&P500を取り崩しながら年金生活の足しにしていますが、こういうニュースを見るたびに、
「ああ、また胃が痛い季節が始まるのか…」
という気分になります。
最近はイランとの休戦ムードもあり、だいぶ戻してきていたのです。ところが、また雲行きが怪しくなってきた。
年金生活者としては、偶数月の15日に年金が入り、奇数月はS&P500を少し取り崩す。 そんな静かな老後設計をしているのに、世界情勢がそれを許してくれません。
もっとも、今月(5月)はすでに取り崩し済みですから、次の取り崩しである7月までに戻ってくれれば、いいと言えばいいのですが。
私の老後資金は、どうやらホルムズ海峡にも握られているようです。
やめてほしい。
「最終合意に近づいた」…誰が信じるのか
そんな中、日本時間の今朝5時過ぎ。 トランプ大統領がSNSで、
「イランとの最終合意に近づいた」
と投稿したらしいのです。
……誰が信じるのでしょうね。
最近のトランプ大統領を見ていると、どうしても思い出すのが「狼少年」の寓話です。
「狼が来たー!」
と何度も叫び、周囲が振り回され、最後には誰も信じなくなる。
現代は、あの寓話よりさらに厄介です。
昔の村人なら被害はその村だけでした。しかし今は、大統領の一言で、
- 原油が動く
- 為替が動く
- 株価が動く
- 世界中の年金資金まで動く
まさに「世界規模の狼少年」です。
最近よく聞く“TACO”という言葉
最近では、市場関係者の間で、
という言葉まで広がっています。
「Trump Always Chickens Out(トランプはいつも最後にチキンレースから降りる/腰が引ける)」
強硬姿勢を見せても、最後は折れる。そんな皮肉を込めた言葉です。
もちろん、本当に戦争が激化する可能性もゼロではありません。
しかし最近の市場は、
「また最後はTACOる(タコる)のでは?」
と考えながら相場を見ています。
ある意味、世界最大の市場が、アメリカ大統領を半分コメディのように見始めている。これはかなり異常な状態です。
しかも、おそらくですが、今回の「最終合意に近づいた」という話も、イラン側は否定するでしょう。
すると市場はまた混乱する。
上がる。 下がる。 戻る。 また下がる。
最近の相場は、ジェットコースターというより壊れた洗濯機みたいです。
日本も他人事ではない
こういう話は、日本でも他人事ではありません。
最近、日本では、
という首相発言がありました。
いや、それはいいんです。 健全財政。立派です。
でも、「では財源はどこから?」
と誰もが思っていたら、今度は自民党内部から、
という話まで出てきました。

結局、
- 補助金を減らすのか
- 続けるのか
- 財源はどうするのか
まるで方向が見えません。
世界は中東問題で原油高リスク。日本は補助金政策が迷走。
その結果、ガソリン価格がどうなるのか、誰にも分からない。
そして私は、近々予定しているドライブのガソリン代を想像して、
「頼むからレギュラー リッター200円はやめてくれ…」
と祈っています。
年金生活者ほど世界情勢に振り回される時代
若い頃は、世界情勢というのは遠い国のニュースでした。
しかし年を取ると、世界情勢は年金生活に直結します。
原油が上がれば電気代が上がる。円安になれば食費も上がる。株が下がれば取り崩しタイミングに悩む。
若い頃は、
「国際政治なんて難しい話は分からん」
と思っていましたが、今は違います。
むしろ、老後生活こそ世界情勢の直撃を受ける。
そんな時代なのかもしれません。
また胃が痛い数日が始まるのか
そして今週もまた、市場はトランプ大統領のSNS通知に振り回されるのでしょう。
夜中にスマホが光る。
「イランとの交渉は順調だ!」
数時間後。
「協議決裂!」
翌朝。
「歴史的合意に近い!」
もう、どれを信じればいいのか分かりません。
それでも投資家は明日も相場を見ます。年金生活者も、コーヒー片手にS&P500を確認します。
そして私は、またこう思うのでしょう。
「また胃が痛い数日が始まるのか…」


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