- “TACO相場”の裏で巨額売買…投資家が感じる違和感
“TACO相場”に振り回される投資家たち
最近のアメリカ市場を見ていると、
「いったい何を信じて投資すればいいのか」
と感じることがあります。
企業業績でしょうか。
景気でしょうか。
金利でしょうか。
もちろん、それらも重要です。
しかし最近は、それ以上に、
「今夜、トランプ大統領が何を発言するか」
これで株価が乱高下しているように見えてしまいます。
私はS&P500を中心に投資していますが、
トランプ大統領2期目就任以降、
- 関税をかけると言えば暴落
- 翌日には軟化して急反発
- 中国強硬発言で半導体急落
- AIを称賛してハイテク急騰
こんな相場を何度も見てきました。
正直に言えば、
「これは投資なのか、政治家の気分ゲームなのか」
と思うことがあります。
「TACO」という言葉まで生まれた
アメリカ市場では、
TACO = “Trump Always Chickens Out”
(トランプ大統領はいつも尻込みして退く)
という言葉まで生まれました。
最初は強硬発言をして市場を揺らす。
しかし市場が荒れるとトーンダウン。
その繰り返しを皮肉った言葉です。
もちろん、政治には交渉があります。
最初に強く出て、あとで落としどころを探る。
それ自体は珍しいことではありません。
しかし問題なのは、
その一言で、何兆円もの資産が吹き飛ぶ
ということです。
「実際に売買していた」ことも公表された
そして最近、さらに投資家を驚かせる情報が出ました。
アメリカ政府倫理局(OGE)の開示資料によって、
トランプ大統領名義で、2026年1~3月だけで3600件超の株式取引
が行われていたことが明らかになったのです。
金額規模も非常に大きく、
少なくとも2億2000万ドル (日本円で約340億円超)
とも報じられています。
開示レンジ上限では
7億5000万ドル規模(日本円で約1200億円)になる可能性もあるそうです。

しかも驚くのは、その銘柄です。
- NVIDIA
- Microsoft
- Amazon
- Meta
- Oracle
- Broadcom
- Goldman Sachs
など、アメリカ政府の政策や規制の影響を強く受ける企業ばかり。
さらに、
- 半導体輸出規制
- AI政策
- TikTok問題
- 防衛政策
などとタイミングが重なるケースもあり、
「本当に偶然なのか?」
という声が強く出ています。
「本人は関与していない」という説明
もちろん、ホワイトハウス側は反論しています。
トランプ大統領本人や家族ではなく、
外部の金融機関による“裁量運用”
だと説明しています。
つまり、
「大統領自身が個別銘柄を直接売買指示している訳ではない」
という立場です。
ここは重要なので、冷静に書かなければいけません。
現時点で、
違法なインサイダー取引が証明された訳ではありません。
しかし問題なのは、
“疑われる構造”そのもの
だと思うのです。
一般投資家だけが振り回される
私のような年金世代の投資家は、
毎日デイトレードをしている訳ではありません。
老後資金を少しでも増やそうと、
- NISAで積み立て
- S&P500を長期保有
- 配当や取り崩しを考えながら
地道に運用しています。
しかし、大統領の発言一つで、
- 一晩で数十万円減る
- 翌日に戻る
- また次の日に急落
こんなことが続くと、
精神的にも疲れます。
もちろん、株式投資にリスクは付きものです。
しかし本来のリスクとは、
- 景気悪化
- 企業業績悪化
- 技術革新失敗
などでしょう。
「今日は大統領が何をSNSに書くか」
これを心配しながら投資する時代になるとは、
昔は思いませんでした。
「やっている証拠」は無い でも「公平には見えない」
ここが難しいところです。
法律上、
アメリカ大統領には、
日本企業役員のような厳格な意味でのインサイダー規制がそのまま適用される訳ではありません。
さらに、
- 関税
- 規制
- 防衛
- AI
- 中国政策
これらは「会社内部情報」ではなく、国家政策として扱われます。
だから、
“違法と断定するのは難しい”
のです。
しかし我々から見ると、
「自分の一言で市場を動かせる人が、巨額の金融資産を持ったまま」
という構図自体に、どうしても違和感があります。
「市場との対話」を超えている
もちろん、大統領は市場を意識します。
景気悪化で株価が暴落すれば、支持率にも影響する。
だから市場へのメッセージを出す。
それ自体は理解できます。
しかし最近は、「市場との対話」
を超えて、「市場を動かしている」
ように見えてしまう場面があります。
しかもSNS時代なので、昔より圧倒的に速い。
新聞の時代なら、翌朝まで時間がありました。
しかし今は、
深夜の投稿で、数秒後に先物が暴れる。
まるで、
世界最大の相場師
のようです。
それでもアメリカ市場が強い理由
皮肉なのは、
それでも世界中のお金がアメリカに集まることです。
結局、
- AI
- 半導体
- クラウド
- ソフトウェア
- 防衛
- 金融
世界最強企業が集まっている。
多少政治が荒れても、
結局はアメリカ企業が稼いでしまう。
だから投資家も離れられない。
私自身も、
文句を言いながらS&P500を持っています。
「嫌なら売ればいい」
と言われればその通りです。
しかし、「世界経済に投資する」
つもりが、「大統領の一言に投資している」
ように感じる瞬間がある。
これが今の相場の怖さだと思います。
老後投資で一番つらいのは「読めないこと」
若い頃なら、暴落しても時間があります。
しかし年金世代になると、
- 取り崩し
- 生活費
- 医療費
- 介護
現実が近い。
だから、
政治家の一言で乱高下する市場を見ると、正直、疲れます。
それでも、現金だけではインフレに負ける。
結局、文句を言いながら投資を継続する
これが今の時代なのかもしれません。
なんとも複雑な話です。



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