― 投資信託の値段の仕組みを、超初心者向けに解説します
アメリカ株だけではなくドル円にも投資している
新NISAが始まってからというもの、
そんな言葉を、毎日のように見かけるようになりました。
私自身もS&P500投資をしていますので、
基本的には、この流れに反対ではありません。
ただ、最近思うのです。
実は、多くの日本人は、
「アメリカ株」に投資しているつもりで、
「ドル円」にも、かなり投資している
のではないか? と。
しかも、意外と多くの人が、
- 「投資信託の値段って、どう決まってるの?」
- 「S&P500が5000ポイントなら、日本の投信も50万円くらいなの?」
という部分を、
なんとなく雰囲気で理解している気がします。
今回は、
- なぜS&P500投信は「25,000円」みたいな値段なのか
- なぜ「S&P500 × 為替」の単純な掛け算にならないのか
- 実際には何が値動きを決めているのか
を、できるだけ分かりやすく書いてみます。
まず、投資信託は「1万円」から始まる
実は、日本のS&P500投資信託は、
ほとんどが、
「1万口=10,000円」
からスタートしています。
例えば有名どころだと、
| ファンド名 | 設定日 | 設定時基準価額 |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 2018年7月3日 | 10,000円 |
| SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 2019年9月26日 | 10,000円 |
| 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド | 2023年10月27日 | 10,000円 |
| iFree S&P500インデックス | 2017年8月31日 | 10,000円 |
最初はどれもきれいに1万円でスタートです。
これ、私は昔、
完全に勘違いしていました。
「S&P500指数そのものの値段で始まる」
と思っていたのです。
でも違いました。
投資信託というのは、
「1万円から始まる箱」
なのです。
じゃあ、なぜ今は2万円、3万円になっているの?
ここが大事です。
投資信託は、
- アメリカ株が上がる
- 円安になる
- 配当が再投資される
などによって、
少しずつ値段が増えていきます。
2018年に1万円で始まった箱が、
アメリカ株の上昇と円安のパワーで、
今は2万5千円の価値にまで成長した、ということです。
つまり、
「S&P500の値動きの倍率」
を反映している商品なのです。
「S&P500 × 為替」で考えると混乱する
例えば今、
- S&P500 = 5,000ポイント
- 為替 = 1ドル160円
だったとします。
すると初心者の頃の私は、
「5000 × 160 = 80万円?」
と思っていました。
でも実際の投信価格は、
25,000円
みたいな数字ですよね。
「全然違うじゃないか!」
となります。
でも、これは間違いではなく、
“値段”ではなく、“値動き”が連動している
からなのです。
正しいイメージは「%の掛け算」
ここが一番重要です。
投信は、
「S&P500の上昇率」×「ドル円の変化率」
で動いています。
例えば、
- S&P500が1%上昇
- 円安でドルが1%上昇
した場合、
日本のS&P500投信は、約2%上昇します。
正確には、なので、
約2.01%上昇ですが、
まずはシンプルに
株と為替のダブルの掛け算(足し算のようなもの)
とイメージすれば分かりやすいです!
つまり、
日本人のS&P500投資は
「アメリカ株」
だけではなく、
「ドル円」
の影響も、ものすごく受けているのです。
実は最近の爆益は「円安」の力も大きい
ここ数年、
S&P500投資をしていた人は、
かなり資産が増えたと思います。
しかし、それは、
アメリカ株だけの力ではありません。
実は、
超円安
の影響が非常に大きかったのです。
例えば、
- 1ドル110円
↓ - 1ドル160円
になるだけで、
ドル資産は、
日本円で見れば、
約45%増し
になります。
つまり、
アメリカ株がそれほど上がっていなくても、
円換算すると、
かなり増えて見えるのです。
逆に「円高」はかなり怖い
これも見落としやすいポイントです。
例えば、
- S&P500は上昇
- でも円高
という場合。
ニュースでは、
- 「NYダウ最高値!」
- 「S&P500史上最高値!」
と盛り上がっているのに、
自分の投信を見ると、
「あれ?増えてない…」
という事が起きます。
なぜなら、
円高で相殺される
からです。
特に老後は「株価横ばい+円高」が怖い
私のように、年金+投資取り崩し生活をしていると、
実は一番怖いのは、
「暴落」
だけではありません。
むしろ、
- 株価横ばい
- 円高
これが、じわじわ効きます。
例えば、
S&P500が堅調でも、
- 160円 → 130円
みたいになると、
日本円ベースでは、かなり資産が減って見えます。
つまり、
日本人投資家は、
常に「為替リスク」を背負っている
という事です。
さらに実際には「3つのズレ」がある
ここから少し実務的な話です。
実際の投資信託は、
単純な数式通りには動きません。
理由は3つあります。
① 信託報酬(管理費)
投信には、
毎日少しずつ手数料がかかっています。
最近はかなり安くなりましたが、
- 年0.05%
- 年0.1%
程度は引かれています。
ですので、
完全一致ではありません。
② 配当金の再投資
多くのS&P500投信は、
アメリカ企業の配当金を、
自動的に再投資しています。
そのため、
長期で見ると、
「本家S&P500指数」より、
投信の方が少し強い
事もあります。
③ 時差(タイムラグ)
これも結構ややこしいです。
アメリカ市場は、日本時間の深夜に動いています。
一方、投信の基準価額は、日本時間で計算されます。
つまり、
「昨晩のアメリカ株」+「今朝のドル円」
を元に、今日の基準価額が決まります。
なので、
「夜中にアメリカ株が暴落した!」
と思っても、
日本の投信価格に反映されるのは、翌営業日になります。

「オルカンなら安心」とも限らない
最近は、
「S&P500は偏っている」
「だからオルカン」
という話もよく聞きます。
しかし実際には、
オルカンも、かなりアメリカ比率が高いです。
しかも、
海外資産である以上、
やはり為替の影響を受けます。
つまり、
日本人が海外投資をする限り、
ドル円とは切っても切れない
ということです。
昔は「円」が強かった
私が若い頃は、
- 円高
- 日本最強
- アメリカは終わり
みたいな空気がありました。
実際、
1ドル80円時代なんて、
海外旅行に行くと、
「日本人お金持ち!」
みたいな扱いでした。
しかし今は逆です。
円安になり、
「円だけ持っていて大丈夫なのか?」
という話になっています。
時代は本当に変わりました。
まとめ:S&P500投資は「為替込み」で考えよう
S&P500投資は、長期では非常に優れた投資先だと思います。
私も続けるつもりです。
しかし、
「アメリカ株だけ見ていればいい」
ではありません。
日本人の場合、
- 為替
- 日銀
- FRB
- 金利差
- 円高
- 円安
全部が絡みます。
つまり、
投資信託を買っているつもりで、
実は毎日「ドル円」にも参加している
という事です。
昔、
「為替ディーラー」
なんて聞くと、
別世界の人に思えました。
しかし今では、
新NISAで毎月1万円積み立てている学生さんまで、
知らないうちに、
ドル円相場の参加者
なのです。
なんとも不思議な時代になったものです。


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