- いったい誰が正しいのだろう?
最近の投資の世界を見ていて、私は不思議な気持ちになることがあります。
日本人は新NISAでS&P500やオルカン(全世界株式)を買い続けている。一方で、外国人投資家は日本株を買っている。まるで、「お互いに相手の庭の芝生を青々と見ている」かのような状況です。
私は現在もS&P500を運用していますが、2026年3月は厳しい月でした。
- 3月2日時点: 約496万円
- 3月31日時点: 約459万円
途中で10万円を取り崩しているため、実質では約27万7千円のマイナスです。これだけ円安が進んでいたにもかかわらず、です。
その一方で、日本株は高値圏を維持しています。そこで改めて思いました。
今年1月から5月末までの、S&P500、日経平均、ドル円レートを、1月初めを100とした推移グラフがこちらです。

日経平均は30%以上の伸びですが、
その半分以上が外国資本に買われているのです。
「日本人はアメリカ株を買い、外国人は日本株を買う。いったいどちらが正しいのだろう?」と。
日本株市場の「真の主役」は誰か?
私は長い間、「日本株は日本人が売買している」と思っていました。ところが、実際の数字を見ると現実は全く違います。
JPX(東京証券取引所)のデータでは、2024年の現物株市場の売買シェアは、
■ 現物株市場の売買シェア
| 投資主体 | 売買シェア |
| 外国人投資家 | 約59% |
| 個人投資家 | 約24% |
| その他(信託銀行・事業法人等) | 約17% |
なんと、日本株の売買の約6割は外国人投資家です。さらに驚くべきは先物市場です。
■ 先物市場の売買シェア
| 投資主体 | 売買シェア |
| 外国人投資家 | 約76% |
| 個人投資家 | 約11% |
| その他 | 約13% |
こちらはさらに極端です。「4回売買があったら3回は外国人」というレベルです。
日本株を一番持っているのも外国人
売買の勢いだけではありません。実際の保有比率も見てみましょう。
■ 日本株の保有比率
| 保有主体 | 保有比率 |
| 外国人 | 約32% |
| 事業法人 | 約19% |
| 個人 | 約17% |
| 投資信託 | 約10% |
| その他金融機関 | 残り(約22%) |
つまり、日本企業の最大株主グループは外国人投資家ということになります。
昔は銀行同士の株式持ち合いが中心でしたが、今は違います。トヨタも商社も半導体企業も、海外の年金基金や投資ファンドが大量に保有しているのが現状です。
一方、日本人はS&P500とオルカンへ
ここが面白いところです。外国人が日本株を買う一方で、日本人は何を買っているのでしょうか。新NISAの人気ランキングを見ると、上位はほぼこの2本に絞られます。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
つまり、日本人は自国の株ではなく、世界の株(特に米国)に資産を投じているのです。
なぜ外国人は日本株を買うのか?
日本人から見ると、国内には問題が山積みのように思えます。
- 少子高齢化と人手不足
- エネルギー資源の輸入依存
- レアアースなどの中国依存
- 巨額の財政赤字
しかし、外国人投資家のフィルターを通すと、全く違う景色が見えてきます。
- 歴史的な円安(外貨建てで見ると日本株がバーゲンセール状態)
- 企業の自社株買いの増加
- 東証主導のコーポレートガバナンス改革
- 配当利回りの改善
彼らにとって、これらは非常に魅力的な要素です。特に円安の恩恵により、グローバルな視点では日本株が極めて割安に映っているのです。
11.7兆円の為替介入でも流れは変わらない
日本政府と日銀は巨額の為替介入を行いました。その規模はこの1ヵ月だけで実に約11.7兆円。個人レベルでは想像もできない巨費です。
しかし、巨大な為替市場全体から見れば、その介入をもってしてもトレンドを変えることはできず、円安基調は続いています。ここから分かるのは、「市場の力は、一国の政府の思惑よりもはるかに大きい」という現実です。

日本市場は外国人の「カモ」なのか?
ここで少し考えてしまいます。外国人に買われ、外国人に売られ、それによって株価が乱高下する――。日本市場は彼らの「カモ」にされているのでしょうか?
しかし、本当にカモ(ただの養分)だと思われているなら、プロの投資家である彼らがこれほど巨額の資金を投じるはずがありません。そこに「確かなリターン(利益)が期待できる」と判断しているからこそ、買いを入れているのです。
そう考えると、私たち日本人が自国に対して悲観しているほど、外国人は日本を悲観していないのかもしれません。
結局、誰が正しいのだろう
日本人は世界の株を買い、外国人は日本株を買う。
どちらの選択が正しかったのか、その答え合わせができるのは数年後になるでしょう。ただ、一つだけ確かなことがあります。
「投資とは、未来への投票である」ということです。
そして今、日本人と外国人はそれぞれ異なる未来に投票している。それこそが、2026年の市場が持つ最高に面白いダイナミズムなのだと思います。


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