― 新聞の左右で、日本の“今”を見た気がした
今朝の新聞で
今朝、新聞を読んでいて、なんとも複雑な気持ちになりました。
朝日新聞、2026年5月23日朝刊。
経済面の右側には、
という見出し。
おお、日本も頑張っているではないですか。
今年は、私がコツコツ積み立てているS&P500も、
正直、今の日本株の勢いには足元にも及びません。
「失われた30年」
「日本はもう成長しない」
そんな言葉を何度も聞いてきた世代としては、
東証終値最高値という言葉には、やはり少し感慨があります。
ところが。
その記事のすぐ横に、こんな見出しが載っていました。
私は思わず、
「どっちなんだよ」
と、新聞に向かって小声でツッコミを入れてしまいました。
右を見ると好景気。
左を見ると生活苦。
新聞を縦に折ったら、
まるで“天国と地獄”です。
株を持つ人は笑い、持たない人は苦しい
もちろん、投資をして日本株を持っている人にとっては、
今の相場はまさに万々歳でしょう。
NISAで日本株インデックスを買っていた人などは、
毎日資産が増えていく感覚かもしれません。
証券会社のアプリを開くたびに、「おおっ!」と声が出る。
昔のパチンコ屋なら、
店内BGMで軍艦マーチが流れているレベルです。
しかし、日本人全体で見ると、
株をしっかり持っている人は、まだ少数派です。
多くの人は、
- 毎月の給料
- ボーナス
- 年金
で生活しています。
その人たちにとって重要なのは、東証の最高値ではなく、
- スーパーの値段
- 電気代
- ガソリン代
- 家賃
- 国保
- 税金
の方です。
つまり、
「株価は史上最高値なのに、生活は全然楽じゃない」
という、
なかなか不思議な状態になっています。
「給料は上がっている」は本当。でも…
最近は、
新入社員の初任給アップのニュースをよく見ます。
大手企業では30万円超え。
中には40万円近い企業まで出てきました。
私が社会人になった頃など、
初任給でそんな金額をもらっていたら、会社の前で記念撮影するレベルです。
しかも当時は、
- 牛丼並盛400円
- ガソリン90円台
- 缶コーヒー100円
そんな時代。
今の若い人から見れば、「昭和は安かったんですね」となるでしょうが、
その代わり、給料も安かった。
ただ、今の問題は、
給料が上がっても、それ以上に物価が上がる
という点です。
今回の新聞記事でも、
- 名目賃金(額面)は増加
- しかし物価上昇に追いつかない
- 結果として実質賃金はマイナス
という話でした。
つまり、
「給料は少し増えた。でも、スーパーの値札の方がもっと元気」
という状態。
特に食品。
最近のスーパーは、値札を見るたびに、
「お前もか!」
と言いたくなります。
卵も上がる。
米も上がる。
野菜も高い。
そして、私の大好きなコーヒー豆まで高い。
年金生活者の楽しみを、
静かに奪わないでいただきたい。
東証6万円超えの正体
今回の東証の最高値ですが、
日本全体が急激に豊かになった、というより、
- 半導体関連
- AI関連
- 円安恩恵企業
- 海外マネー流入
このあたりが強く押し上げている面が大きいです。
つまり、
「一部の超大型企業の期待値で指数が上がっている」
という色がかなり濃い。
昔のように、
「日本中の会社が元気」
という感じではありません。
実際、日経平均は上がっていても、
地方の中小企業では、
- 人手不足
- 原材料高
- 原材料不足
- 光熱費高騰
で苦しんでいる会社も多い。
さらに、
日本経済を押し上げている要因の一つが円安です。
輸出企業には追い風。
海外で稼いだ利益が、
円換算で大きく見える。
しかし、その円安が、
- 食料品
- エネルギー
- 日用品
という、生活必需品の価格を押し上げている訳です。
つまり、
株価を押し上げる要因が、生活を苦しくしている
という、非常にややこしい構図です。
シーソーではないのですから、
本当なら両方上がってくれないと困ります。
株価だけ上がって、
生活が下がる。
これでは、
「数字だけ好景気」
です。
年金生活者には、さらに厳しい
そして、私のような年金生活者。
ここが、また微妙です。
S&P500を取り崩している生活なので、株が上がるのは嬉しい。
資産が増えるのはありがたい。
でも、その一方で、
- 食費
- 光熱費
- 医療費
- 国民健康保険
- 固定資産税
は、どんどん重くなる。

最近は、
スーパーの買い物袋を持つたびに、
「中身は軽いのに、金額だけ重い」
そんな気がします。
しかも年金は、
急激には増えません。
物価上昇に合わせて改定されるとはいえ、
追いつくには時間がかかる。
現役世代のように、
転職して年収アップ、
残業して収入増、
というわけにもいきません。
つまり、
支出はインフレ
収入は半固定
これが年金生活者の現実です。
だから今回の、
「東証最高値!」
というニュースを見ても、
昔のように素直に喜べません。
もちろん、
日本企業が元気になるのは良いことです。
株価が上がるのも悪いことではありません。
でも、その横で、
という文字を見ると、
「ああ、日本は今、“まだら模様の好景気”なんだな」
と感じます。
数字だけでは、人は幸せになれない
経済ニュースを見ていると、
つい数字ばかりに目が行きます。
GDP。
株価。
為替。
成長率。
でも、最終的に大事なのは、
「普通に暮らしていて、少し安心できるか」
なのだと思います。
スーパーで値段を見てため息をつかない。
電気代の請求書で固まらない。
病院代を気にして受診を我慢しない。
そういう“小さな安心”の積み重ねが、
本当の景気なのではないでしょうか。
今の日本は、
株価だけ見ると絶好調。
でも、生活実感はそうでもない。
だから今朝の新聞は、
まるで今の日本そのものを、
一枚で表しているように見えました。
右を見れば、東証最高値。
左を見れば、実質賃金4年連続減。
そして、その真ん中で私は、
コーヒーを飲みながら、
「で、わたしの場合は、どうなるの?」
と考えていたのでした。



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