- 前立腺も心配なお年頃。高速道路で5時間閉じ込められた話
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楽しかった関西への帰省。その帰り道に……
先週の土曜日から、私の出身地である関西に帰省してきました。
土曜日の早朝、妻と車で自宅を出発して大阪へ。
ホテルにチェックインした後、学校を卒業して最初に勤めた大阪の会社のOB会に出席しました。
集まったのは30名ほど。
懐かしい顔ぶれと大阪・梅田で飲んで、昔話に花を咲かせてきました。
何十年も前のことは、昨日のことのように覚えているのに、昨日の晩御飯が何だったかは思い出せない。
年寄りとは、まことに不思議な生き物です。
さて、そんな楽しいOB会や墓参りを終え、妻と車で帰路についたのですが……。
ここから、とんでもないことになりました。
高速道路でトラックが横転。まったく動かない!
帰り道の高速道路。
あいにくの雨模様でしたが、順調に走っていたところ、突然、前方の車の流れが止まりました。
どうやら、先を走っていたトラックが横転し、2車線をふさいでしまったようです。
事故ですから仕方ありません。
最初は「しばらく待てば動くだろう」と、のんびり構えていました。
ところが、10分、30分、1時間……。
まったく動きません。
1mmも動かない。
運転席から前を見ても車、後ろを見ても車。
外は雨。
逃げ道もありません。
結局、その場所で約2時間半。
ようやく動き始めたと思ったら、約5km先のトンネルを抜けたところで、係員の誘導によって高速道路をUターンし、引き返すことになりました。
そのUターン場所にたどり着くまでが、また長い。
ノロノロと進むこと、さらに約2時間。
合計すると、5時間近くも高速道路上に閉じ込められていたことになります。
長年車を運転してきましたが、こんな経験は初めてです。
そして、そんなときに限って、あるものが我慢できなくなってきます。
出物腫物ところ選ばず。よりによって尿意が……
そう、トイレです。
若いころは、何時間でも我慢できたような気がします。
しかし、こちらは67歳。
最近はトイレに行く回数も増えてきました。
次回の健康診断では前立腺がんの検査も受けようと思っている、そんなお年頃です。
もちろん、トイレが近くなる原因は前立腺だけではありませんが、歳を取ると身体のあちこちが気になってきます。
出物腫物ところ選ばず。
昔の人は、実にうまいことを言ったものです。
しかし、ここは高速道路。
サービスエリアもパーキングエリアもありません。
外は雨。
前後左右には車が並んでいます。
この状況で立ち小便でもしようものなら、公衆の面前で恥をさらすだけでなく、場所や状況によっては軽犯罪法に触れる可能性もあります。
それ以前に、高速道路上で車外に出ること自体が危険です。
かといって、このまま我慢して車のシートを濡らすわけにもいきません。
困った。
非常に困った。
そんなとき、ふと思い出しました。
そうだ! 車の中に携帯トイレを積んでいた!
買っておいてよかった! セイワの携帯ミニトイレ
以前、万一のために購入して車に積んでいたのが、カー用品メーカー・セイワ(SEIWA)の携帯トイレです。
購入したものの、これまで一度も使用したことはありません。
できれば、一生使わずに済んでほしいと思っていた商品です。
しかし、とうとう出番がやってきました。

まずは落ち着いて説明書を読みます。
袋から取り出し、受け口を開いて準備します。
運転席のシートを少し後ろに下げ、シートベルトを外します。
そして、ズボンのベルトを外して、お尻を少し浮かせ、ズボンとパンツを膝まで下ろします。
狭い運転席での作業ですから、決して格好のよいものではありません。
そして、容器をあてがい……。
ああ、天国!
それまでの苦しみが、まるで嘘のように消えていきます。
この開放感。
人生67年、こんなところで天国を味わうとは思いませんでした。
ちなみに、この間、妻は助手席で黙って窓の外を見ていました。
夫婦生活も長くなると、こういう場面では余計なことを言わないのが一番なのでしょう。
ありがたいことです。
用を済ませたら、袋の密閉ファスナーをしっかり閉め、付属の持ち帰り袋に入れます。
あとは倒れないようにして車内に一時保管し、帰宅後に自治体のルールに従って処分します。
使ってみれば、意外に簡単。
事前に使い方を知っておけば、もっと落ち着いて対応できたでしょう。
セイワの携帯トイレは、こんな商品
今回、私を救ってくれたセイワの携帯トイレ。
尿を吸収して固める仕組みで、使用後は密閉ファスナーで封をすることができます。
受け口が付いており、使い終わった後の持ち帰り袋も付属しています。
何より、小さく収納できるので、車内に常備しておいても邪魔になりません。
普段は存在すら忘れていましたが、今回ばかりは、その存在に心から感謝しました。
数百円程度で買える携帯トイレ。
いざというとき、私を救ってくれたのは高価な自動車装備ではなく、小さな袋でした。
女性の場合は、少し難しいかもしれません
妻に今回の感想を聞いてみると、
「女性が車のシートに座ったまま使うのは、難しいかもしれないね」
とのこと。
確かに、男性と女性では事情が違います。
製品自体は女性にも対応していますが、座席の形状や姿勢、衣服の問題もあります。
特に車内の狭い空間では、思ったような姿勢を取れないかもしれません。
女性の場合は、目隠しや大きめのポンチョ、簡易便座なども考えておいた方がよさそうです。
幸い、妻はUターンして引き返した先のパーキングエリアまで我慢できました。
こちらは、すっかり天国に行って帰ってきたというのに。
同じ夫婦でも、膀胱の忍耐力には相当な差があるようです。
天国から一転! 今度は車が動かない!
さて、携帯トイレで無事に用を済ませた直後のことです。
長時間停車していた前の車が、少し動き始めました。
私の車はスバルのクロストレック。
いつもエンジンをかけると、AVH(オートビークルホールド)をオンにしています。
AVHとは、信号待ちなどで停止した際、ブレーキペダルから足を離しても停止状態を保持してくれる便利な機能です。
前の車が動いたので、いつものようにアクセルを軽く踏みました。
ところが……。
動かない!
あれ?
もう一度、状況を確認すると、電動パーキングブレーキがかかっています。
さっきまでAVHで停止していたはずなのに。
実は、ここにもスバルの安全機能が働いていました。
AVHで停車しているときに運転席のシートベルトを外すと、AVHによる停止保持から電動パーキングブレーキへ切り替わる仕組みなのです。
さらに、電動パーキングブレーキをアクセル操作で自動解除するには、運転席のシートベルトを着用している必要があります。
つまり、私が携帯トイレを使おうとシートベルトを外した時点で、すでに電動パーキングブレーキが作動していたわけです。
アクセルを踏んだからブレーキがかかったのではありません。
そんな仕様になっているとは、知りませんでした。
トイレで天国に昇った直後、今度は「車が動かない!」と地獄に突き落とされた気分です。
もっとも、落ち着いてシートベルトを着用すると、いつもどおり発進できました。
さすがスバル。
ドライバーがシートベルトを外したまま、不用意に車を動かさないよう配慮されているのですね。
ちなみに、AVHによる停止保持が10分間続いた場合にも、電動パーキングブレーキへ切り替わるそうです。
今回、初めて知りました。
安全装備は便利ですが、仕組みを理解しておくことも大切です。
もちろん、走行中は必ずシートベルトを着用しましょう。
携帯トイレは、災害対策としても役に立つ
今回の経験で思ったのは、携帯トイレは高齢者だけのものではないということです。
高速道路の渋滞はもちろん、事故による通行止め、大雪による立ち往生、災害による道路の寸断など、車内で長時間過ごさなければならない状況は誰にでも起こり得ます。
また、最近は大雨や台風、地震などの災害によって断水し、自宅のトイレが使えなくなることもあります。
そんなときにも携帯トイレは役立ちます。ただし、自宅で使う場合は便器に取り付ける災害用の簡易トイレなども用意しておくと安心です。
今回、私はたまたま車に携帯トイレを積んでいたおかげで、何とか助かりました。
もし積んでいなかったら……。
車内で大惨事を起こしていたかもしれません。
もっとも、妻にとっては、その後も同じ車に乗って帰らなければならないのですから、私以上の大惨事だったでしょう。
年金生活者の買い物は、使わないことにも価値がある
年金生活に入ってからは、買い物にも以前より慎重になりました。
便利そうだから、面白そうだからと、何でも買っていたら年金がいくらあっても足りません。
しかし、今回の携帯トイレのように、普段は使わなくても、いざというときに役立つものがあります。
むしろ、使わないまま終わることが、一番幸せな商品なのかもしれません。
非常用の三角表示板や防災用品なども、同じですね。
携帯トイレを使わなければならない状況など、二度と経験したくありません。
それでも、今回のことで、車に常備しておいてよかったと心から思いました。
そして、ひとつ教訓。
高齢者の長距離ドライブには、ガソリンの残量だけでなく、膀胱の残量にも気を配りましょう。
ガソリンは途中で補給できますが、満タンになった膀胱は、渋滞中に簡単には空にできません。
それでは皆さん、安全運転で。
そして、どうぞ快適なトイレ環境を!



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