テレビをつければ、選挙かオリンピックか
先週末から今週にかけて、テレビをつければどの局も同じ話題です。
衆議院選挙と、ミラノ・コルティナ五輪です。
選挙では、おじさん、おばさん、そしておじいさん(私のような)やおばあさんが、
「国民のため」と言いながら、マイク片手に自己主張の大運動会を繰り広げています。
顔は国民向け、中身は私利私欲の詰め合わせで、
見ているこちらが気恥ずかしくなり、ついチャンネルを変えてしまいます。
一方のオリンピックでは、
私との年齢差がトリプルスコア以上ある若者たちが、
自分の限界に向かって飛び、滑り、転び、また立ち上がっています。
彼らは何も叫びません。ただ黙々と競技に向き合っています。
それだけで、なぜか胸を打たれます。

同じテレビの中の出来事なのに、
どうしてここまで温度差が出るのでしょうか。
選挙後のご祝儀相場と、素人の嫌な予感
選挙の結果は自民党の圧勝でした。
市場は正直で、日経平均はご祝儀相場のように大きく上昇しました。
「しばらくは好景気が続くでしょう」
そんな声も聞こえてきます。
ただ、素人投資家である私の感覚では、
この上昇は**来季の国家予算案が決まるまでの“猶予期間”**のように見えています。
遅れに遅れている予算編成。
その中身がはっきりした瞬間、
市場は一気に現実に引き戻されるのではないか、
そんな気がしてなりません。
円安・金利・物価、いつもの三点セット
円安はさらに進み、金利はじわじわと上がります。
物価も上がります。これはもはやお決まりの流れです。
足りない予算はどうするのか。
答えはだいたい決まっています。赤字国債です。
もちろん「将来への投資」という説明はされます。
しかし国債の返済を背負うのは、未来の世代です。
オリンピックで躍動する若者たちとは対照的に、
彼らの将来は重たい荷物を背負わされることになります。
食料品の消費税を2年間ゼロにしても、
インフレの前では焼け石に水です。
しかも、その財源ははっきりしません。
そのうち、
「やはり減税は無理でした」
という話になっても、不思議ではありません。
世界に目を向けると、日本は一人ではありません
ただ、こうした状況は日本だけの話ではありません。
アメリカは産業の疲弊に焦り、
関税という分かりやすい棍棒を振り回しています。
EU(欧州)は、報復関税のカードを用意しつつ、
「戦略的自律」という言葉を掲げ、
アメリカ依存から距離を取ろうとしています。
一方、韓国はかなり切実です。
関税を回避するため、
米国向け投資の法整備を急ぎ、
「誠意ある対応」を繰り返し強調しています。
どの国も、
「アメリカとどう付き合うか」で頭を悩ませているのです。
80兆円という数字の魔法
そんな中で出てきたのが、
日本の対米投資「80兆円」という数字です。
国家予算の約7割に相当します。
聞いただけで胃が重くなります。
もちろん、1年で現金を支払う話ではありません。
融資や保証、民間投資を含めた“枠”です。
それでも、政治的な約束としては非常に大きな数字です。
投資先は、
半導体、エネルギー、AI、防衛関連などが想定されています。
これは高い投資リターンを狙うものというより、
関税を回避するための保険料に近い性格のものです。
アメリカの産業が本当に元気を取り戻すかどうかは、
正直なところ、五分五分ではないでしょうか。
日本は詰んでいるのか
「なんだ、日本は詰んでいるじゃないか」
そんな言葉が聞こえ始めるのは、
おそらくゴールデンウィーク頃だと思います。
ただ、世界を見渡すと、
どの国も余裕はありません。
日本だけが特別に悪い状況にあるわけでもないのです。
そして、私のS&P500は
私が投資しているS&P500は、
少しだけ息を吹き返しました。

選挙前に全額解約して、
日本株に乗り換えることも考えました。
しかし、今はそのままにしています。
ゴールデンウィーク頃には、
日本から見える投資先も、
アメリカ企業の表情も、
もう少しはっきりしてくるはずです。
焦らず、叫ばず、
オリンピックの若者たちのように、
淡々と自分のフォームを崩さずに進む。
それが、
この騒がしい時代を生きる
小心者投資家の現実的な生存戦略なのかもしれません。



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