- 2026年度の年金改定をやさしく解説
年金改正により「年金、増えます」
…と聞くと、思わず期待してしまうのが人情です。
しかし、その後に続く現実は、だいたいこうです。
はい、今年もその季節がやってきました。
年金はいつ増える?6月15日がポイント
公的年金は、偶数月の15日に前の2ヶ月分が後払いでまとめて支給されます。
つまり、今年の場合、
・4月15日支給 → 2月・3月分
・6月15日支給 → 4月・5月分
となっています。
つまり、
6月15日から「増額後の新年度の年金」が実際に振り込まれるという仕組みです。
なぜ2ヶ月も待つのか問題
サラリーマン時代は「給料は後払い」とはいえ、せいぜい1ヶ月でした。
しかし年金は…
2ヶ月まとめて後払い
これは最初はちょっと戸惑いますよね。
「次の振り込みはいつだったっけ…」と通帳を何度も見てしまう。
そして気づくんです。
「そうだ。まだ先だった…」
この“軽い肩透かし”、年金生活あるあるです(笑)
2026年度の年金改正による増額率は
さて本題です。
2026年度の年金改定は以下の通りです。
- 国民年金:+1.9%
- 厚生年金:+2.0%
数字だけ見ると、
「お、2%近いなら結構増えるのでは?」
と思うのですが、ここで重要なポイントがあります。
2%では、現在の円安、インフレと諸物価値上がりのトリプルパンチでノックダウン寸前です。
マクロ経済スライドという現実
年金は「物価や賃金に応じて増える」仕組みですが、
実際には、少し抑えられる仕組みです。
これが「マクロ経済スライド」です。
ざっくり言うと、
「増えるけど、ちょっとだけ控えめにね」
という制度です。

将来世代とのバランスを取るための仕組みなので、制度としては必要なのですが…
受け取る側としては、「もう少し頑張ってくれてもいいのに」
と、思ってしまいます。
モデルケースの「月4,495円増」について
厚労省のモデルでは、
令和8年度の年金額の例
| 令和7年度(月額) | 令和8年度(月額) | |
| 国民年金※1 (老齢基礎年金(満額):1人分) | 69,308 円 | 70,608 円 (+1,300円) |
| 厚生年金※2 (夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) | 232,784 円 | 237,279 円 (+4,495円) |
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額70,408円(対前年度比+1,300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
夫婦2人で月 +4,495円
とされています。
ここで多くの人が感じること。
「そんな理想的な家庭、世の中にどれだけあるの?」
このモデルの前提は、
- 夫:平均的な収入(平均標準報酬45万5000円)を得ながら、会社員や公務員として40年間厚生年金に加入
- 妻:その期間、専業主婦として夫の扶養に入っており、国民年金保険料の未納期間がない
という、いわゆる「教科書通りの人生」です。
現実はどうでしょう。
転職あり、空白期間あり、共働きあり…
「うちは当てはまらないな…」
と思う方がほとんどではないでしょうか。
はい。我が家は当てはまりません。
実際の年金額はこんなに違う
実際の年金額は、働き方で大きく変わります。
例えば、
厚生年金中心の男性
約17.6万円/月
国民年金中心の男性
約6.3万円/月
厚生年金中心の女性
約13.4万円/月
国民年金中心の女性
約6万円前後
この差、正直に言ってかなり大きいですよね。
国民年金だけだとどうなるか
国民年金のみの場合、月6万円前後。
これが一つの目安です。
ここで多くの方が感じる現実は、「これだけで生活は厳しい」
これは決して大げさではありません。
平均額を見るとさらにリアル
60歳以上の平均を見ると、
厚生年金では、
| 60歳 | 9万9664円 |
| 61歳 | 10万4455円 |
| 62歳 | 10万9323円 |
| 63歳 | 6万8758円 |
| 64歳 | 8万3901円 |
| 65歳 | 14万9862円 |
| 66歳 | 15万2378円 |
| 67歳 | 15万2356円 |
| 68歳 | 15万2709円 |
| 69歳 | 15万1284円 |
※65歳未満の受給者には、特別支給の老齢厚生年金のうち、比例報酬部分のみを受け取っている人も含まれます。
国民年金では、
| 60歳 | 4万5186円 |
| 61歳 | 4万6371円 |
| 62歳 | 4万7784円 |
| 63歳 | 4万7258円 |
| 64歳 | 4万7896円 |
| 65歳 | 6万1240円 |
| 66歳 | 6万1369円 |
| 67歳 | 6万1345円 |
| 68歳 | 6万1293円 |
| 69歳 | 6万978円 |
※65歳未満で受給している人は、繰上げ受給を選択した方々です。
全体では、おおよそ
- 厚生年金:約15万円
- 国民年金:約6万円
となります。
つまり、
「年金だけで余裕の生活」は難しい人も多いというのが現実です。
少しデリケートな話(でも大事)
ここで、少しだけ踏み込んで言わせていただきます。
「年金が少ない場合どうするか」という話です。
制度上、生活保護という選択肢もあります。
ただしこれは、
- 資産制限
- 生活制約
などがあるため、簡単に比較できるものではありません。
このあたりは非常に繊細なテーマなので、
「どちらが良い・悪い」ではなく
「制度としてどう使うか」
という視点で考えることが大切です。
(このテーマは、また別記事でしっかり整理したいところです。)
年金は「過去」で決まる
年金額は、現役時代の働き方の結果という、過去の話で決まります。
加入期間、収入、働き方…
すべて積み上げです。
ここで、こう思う人もいるでしょう。
「何を成し遂げたかで決まってほしい」
これは理想論ですが、少し分かる気もします。
真面目に働いてきた人ほど、こう感じるのではないでしょうか。
ではどう考えるべきか
はっきりしています。
年金だけに頼らない設計が必要という事です。
- 貯蓄
- 投資
- 支出のコントロール
この3つが重要になります。
最後に(ちょっと前向きな話)
ここまで読むと、
「なんだか不安になる話ばかり」
と思うかもしれません。
でも、こうも考えられます。
年金は「ゼロではない」
毎月、(正確には2ヶ月に1度ですが)確実に入ってくる収入がある。
これは実は、とても大きな安心材料です。
まとめ
- 2026年度は年金改正で約2%の増額
- 実際の受け取りは6月15日から
- 増えるが「控えめ」なのが現実
- 年金額は働き方で大きく差が出る
- 年金だけでは厳しいケースも多い
最後に一言。
年金は、「期待しすぎず、でも軽視もしない」
助かっていることには間違いないですが、頼りきらずに付き合う。
このバランスがちょうどいいのかもしれません。
(このくらいの距離感が、一番良いと思います)


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