-年金世代が感じるお金の変化
懐かしいワリコーのコマーシャル
今から40年以上前、正確には1970年ごろの話です。
まだ我が家のテレビは白黒テレビ。
ようやくカラーテレビに買い替えたばかりの頃だったでしょうか。
当時のテレビは、今のように何十チャンネルもあるわけではありません。
NHKと民放を合わせても数えるほど。
だから、コマーシャルも自然とよく覚えてしまいます。
そんな中で、子供ながらに歌を強烈に覚えているCMがあります。
「ナナ! ナナ! ナナ!」
と連呼するコマーシャルです。
画面の中で人が踊っていたように思いますが、映像ははっきり思い出せません。
ただ、歌声だけが耳に残っています。

YouTubeの懐かしのCMで探していますが見つかりません。
もし、情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら教えてください。
いったい何のCMだったのか。
それは 「ワリコー」 という金融商品の宣伝でした。
ワリコーという金融商品
ワリコーとは、日本興業銀行が発行していた金融商品で、正式名称は
割引興業債
といいます。
少し難しい名前ですが、簡単に言えば
銀行が発行する債券型の預金商品
のようなものです。
これと似た商品に
ワリチョー(割引長期金融債)
というものもありました。
こちらは長期信用銀行などが発行していた金融商品です。
当時は銀行がこうした金融債を発行し、一般の人が購入できました。
そして、その最大の特徴が
年利およそ7%
という金利でした。
昭和と令和、主な金融商品の金利比較
しかも、投資信託のように
- 元本保証なし
- 価格が上がったり下がったり
という商品ではありません。
銀行が発行する商品ですから、当時の人の感覚では
かなり安心できる金融商品
でした。
「7%なんて本当にあったの?」と思う方のために、昭和から現在までの金利の変遷を整理しました。
| 時代 | 代表的な金融商品 | おおよその金利(年利) |
|---|---|---|
| 1970年代(昭和45年〜) | ワリコー・ワリチョー | 約7.0〜7.5% |
| 1980年代(昭和55年〜) | 郵便局・定期預金 | 約6.0〜8.0% |
| 1990年代前半(バブル期) | 銀行定期預金(1年) | 約5.0〜6.0% |
| 1990年代後半〜2000年代 | 銀行定期預金(1年) | 約0.1〜0.5% |
| 2010年代(超低金利) | 銀行定期預金(1年) | 約0.01〜0.02% |
| 2024〜2025年(金利上昇中) | 三菱UFJ定期預金(1年) | 約0.4% |
現在の、0.4%というと「少し戻ってきた」ように聞こえます。
でも、7%との差は比べものになりません。
数字で確かめてみましょう。
100万円を預けたら、いくらになるか
「7%と0.4%って、実際どのくらい違うの?」
言葉で聞いてもピンと来ないので、計算してみます。
複利の計算式:元本 × (1+金利)^年数
7%(昭和のワリコー時代)で100万円を運用した場合
10年後:1,000,000 × (1.07)^10 = 約 1,967,000円(約2倍)
20年後:1,000,000 × (1.07)^20 = 約 3,870,000円(約4倍)
30年後:1,000,000 × (1.07)^30 = 約 7,612,000円(約7.6倍)
0.4%(現在の定期預金)で100万円を運用した場合
10年後:1,000,000 × (1.004)^10 = 約 1,041,000円(+4万1千円)
20年後:1,000,000 × (1.004)^20 = 約 1,083,000円(+8万3千円)
30年後:1,000,000 × (1.004)^30 = 約 1,127,000円(+12万7千円)
2つを比較した表
| 経過年数 | 金利7%(昭和) | 金利0.4%(現在) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 10年後 | 約196万7千円 | 約104万1千円 | 約92万6千円 |
| 20年後 | 約387万円 | 約108万3千円 | 約278万7千円 |
| 30年後 | 約761万2千円 | 約112万7千円 | 約648万5千円 |
30年でおよそ6倍以上の差が生まれます。
昭和の人が「銀行に預けているだけで老後の資産ができる」と感じたのは、
この数字を見れば当然のことでした。
2倍になるまで何年かかるか(72の法則)
「元本が2倍になるまでの年数」は、72÷金利(%) で簡単に計算できます。
これを「72の法則」といいます。
72の法則:元本が2倍になる年数 ≒ 72 ÷ 金利(%)
| 金利 | 2倍になる年数 | 一言 |
|---|---|---|
| 7.0%(昭和のワリコー) | 72 ÷ 7.0 = 約10年 | 生きているうちに2倍にできそう |
| 1.0% | 72 ÷ 1.0 = 約72年 | その時生きていたら私は140歳 |
| 0.4%(現在の定期預金) | 72 ÷ 0.4 = 約180年 | 十二代将軍 徳川家慶の時代 天保の改革の頃から現在までの年数 |
| 0.001%(2010年代) | 72 ÷ 0.001 = 72,000年 | 旧石器時代から今までの年数 |
昭和の銀行金利で預けておけば、10年で資産は2倍でした。
今の0.4%では、2倍になるのは180年後。
私が生きている間に2倍になることは、絶対にありません。
「銀行が一番安全」という思い込み
それでも今でもよく聞く言葉があります。
「銀行が一番安心」
「郵便貯金は絶対につぶれない」
確かに、銀行に預けておけば大きく減ることはないでしょう。
しかし、ほとんど増えないのも事実です。
さらに、こんな話をする人もいます。
「タンスに入れておけば、家賃の集金に来てもすぐ払える」
なるほど、確かに便利かもしれません。
ただ、それではお金は一円も働いてくれません。
お金に働いてもらうという考え方
もちろん、年金で十分に生活できて、
「お金が余って困る」
という人なら、普通預金でも郵便局でもタンスでも自由です。
何も問題はありません。
しかし私の場合は、そうはいきません。
だから私は、
という考え方をしています。
投資信託で運用していると
- 上がる日
- 下がる日
いろいろあります。
時には
「しまった、これは失敗だった」
ということもあります。
いわゆるヘマをすることもあります。
それでも投資を続ける理由
それでも私は、
ただ銀行に預けておくだけよりも
はるかに満足感があります。
なぜなら、自分で考え、自分で判断し、自分のお金を動かしているからです。
お金をただ眠らせておくより、
少しでも働いてもらう方が、私は好きです。
昔のように銀行金利が7%もあれば話は別ですが、
残念ながらそんな時代はもう戻ってこないでしょう。
だからこそ、これからはお金にも少し働いてもらう時代
なのかもしれません。
さて、皆さんはどう思いますか。
銀行に預けて安心する生活と、
お金に働いてもらう生活。
私は後者の方が、少しだけ人生が面白くなる気がしています。
※金利は時期・商品・金融機関によって異なります。計算はあくまで参考例であり、将来の運用成果を保証するものではありません。



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