日本は本当に詰んでいるのか?

- 少子高齢化・移民・AIから考える未来

1980年代後半(いわゆるバブル期)を振り返ると

最近、テレビやネットを見れば毎日のように「値上げ」のニュース。スーパーへ行けば大好物の食品が高くなり、ガソリンスタンドの前を通れば目玉が飛び出そうになり、電気代の請求書を見てはため息をつく……そんな日々です。

その一方で、耳にタコができるほど聞くのが「日本は30年間給料が上がらなかった」という話。

確かに、私が社会人になった1980年代後半(いわゆるバブル期)を振り返ると、当時の日本は世界でも有数の「イケイケな国」でした。ところが今や、世界から「安い国」と呼ばれています。

外国人観光客が日本へやってきては、「食事が安い!」「ホテルが安い!」「爆買い最高!」と大喜び。……いや、こっちとしては全然笑い事じゃないんですけどね(苦笑)。

なぜ日本はこうなってしまったのか? そして本当に日本はもう「詰み」なのでしょうか。今回は、少子高齢化・移民・AIという3つの視点から、このモヤモヤを考えてみたいと思います。

日本だけが取り残された30年

私が若い頃、日本は世界第2位の経済大国でした。世の中全体が謎の熱気に包まれていたバブル景気も経験しました。

しかし、その後の30年間、日本はデフレと低成長のぬるま湯(いや、冷や水?)に浸かり続けました。その間に海外はどうだったかというと、アメリカやドイツは賃金がグングン上がり、お隣の韓国ですら大きく成長しました。

気づけば、日本だけが綺麗に「置いてけぼり」を食らったのです。その結果がこれです。

  • 日本の賃金は伸びない
  • 日本の物価だけが安い
  • 円の価値がどんどん下がる

よく「円安だから物価が高い」と言われます。もちろんそれも事実ですが、本質的には「日本経済が弱くなったから、世界から見放されて円安になった」と言う方が正確かもしれません。悲しいかな、世界は「成長しない国の通貨」をキープしてくれません。

値上げが苦しい本当の理由

本来、健全な経済であれば、物価が2%上がれば給料も3〜4%上がります。それなら財布の痛みはありません。

ところが今の日本は、給料を据え置いたまま、物価だけが「お先に失礼!」と上がっています。輸入食品も、電気代も、ガソリンも高い。なのに収入はそれほど増えない。これでは生活が苦しく感じるのも当然です。

年金生活者である私にとっては、さらに死活問題です。年金も多少は改定されますが、物価上昇のスピードには到底追いつきません。

いくら「株価が最高値を更新!」とか「S&P500が絶好調!」とニュースで騒がれても、スーパーのレジで支払うのは「円」です。毎日の食費や電気代は、投資信託のチャートのようには待ってくれないのです。

少子高齢化という「確定した未来」

しかし、本当に深刻なのは財布の事情よりも「人口」です。 現在の日本は、生まれる子供の数より、亡くなる人の数が圧倒的に多い。

  • 年金をもらう人は増える
  • 働く(支える)人は減る

これはSF小説の話ではなく、完全に「確定した未来」です。 ここでちょっと想像してみてください。年金や医療の制度は、現役世代がみんなで高齢者を支えようという「神輿(みこし)」のような仕組みです。神輿を担ぐ人が減り、上に乗る人が増える。……これで神輿がひっくり返らない方がおかしいですよね。

実際、社会保険料も税金も、現役世代の負担は増える一方。このままでは神輿が潰れてしまいます。

AIが仕事を奪う?……いや、むしろ奪ってくれ!

さらに最近はAI(人工知能)の進化です。ChatGPTなどの登場で、ホワイトカラーの仕事がなくなると騒がれています。

私自身、長年システム開発業界で営業をしてきました。昔の現場といえば、

PM(プロジェクトマネージャー)がいて、SE(システムエンジニア)がいて、プログラマーがいて、最後にテスターが泥臭くバグを探す……

という綺麗なピラミッド構造でした。 ところが今や、プログラムを書くのも、テストをするのも、設計のサポートも、AIがかなりの精度でこなしてしまいます。「若い人の仕事が奪われるのでは?」と不安になる気持ちも分かります。

しかし、日本に関しては面白いパラドックスが起きています。 「AIに仕事を奪われる心配」よりも、「AIに仕事を手伝ってもらわないと国が回らない」という現実です。

介護、物流、建設、農業、製造業……どこを見渡しても人手不足。「仕事はあるのに人がいない」のです。昔は「仕事がなくて人が余っている」のが問題でしたが、今は真逆。AIは仕事を奪う敵ではなく、日本社会を救う「お助けロボット」なのかもしれません。

移民反対という、ちょっと不思議な議論

人手不足といえば、もう一つ避けて通れないのが「移民(外国人労働者)」の議論です。 ネットでは今も激しい反対論を見かけます。もちろん、文化の違いや治安への不安など、言いたいことは分かります。

しかし、現実の街に出てみてください。コンビニ、介護施設、飲食店、工場、建設現場……。彼ら、彼女らが営業スマイルや汗を流して働いてくれているおかげで、私たちの便利な生活が成り立っています。

もし明日、日本国内の外国人労働者が一斉にストライキを起こして国へ帰ってしまったら、どうなるでしょう? おそらく、日本のインフラは翌朝にフリーズします。それほど、すでに日本は彼らに「依存」しているのです。

「受け入れる側のリスク」を心配する気持ちは分かりますが、それは私たちが真剣に制度や日本語教育を整え、お互いに努力していくべき課題です。「嫌だから入れない」と言っていられるタイムリミットは、とっくに過ぎています。

予想されていた未来が来ただけ

私が一番不思議に思うのは、日本社会の「危機感の薄さ」です。 少子高齢化も、人口減少も、何十年も前から分かっていた「平成の宿題」でした。それを「まあ、まだ大丈夫だろう」と全員で先送りしてきた結果が、今の「人手不足だ!」「年金がヤバい!」という大騒ぎです。

日本の諸問題で将来を憂う

ある意味、夏休みの宿題を最終日まで残して泣いている小学生と同じ。予想されていた最悪の未来が、ただスケジュール通りにやってきただけなのです。

日本は滅亡するのか?

ここまで耳の痛い話ばかり書くと、「日本はもうオワコン(終わり)だ」と絶望してしまうかもしれません。 しかし、私はそうは思いません。日本は滅亡はしないでしょう。

ただし、「何もしなければ、ゆでガエルでお馴染みの『ゆっくり、じわじわ貧しくなる国』になる」、これは大いにあり得ます。

ただ、世界最速で超高齢化社会に突入した日本は、見方を変えれば「世界の実験場」です。これからお隣の韓国も、中国も、ヨーロッパ諸国も、全く同じ壁にぶち当たります。日本がここで見せる「もがき方(失敗や成功)」は、人類にとっての貴重なサンプルになるはずです。

私たちにできること

年金生活者である私に、今から子供を増やすことはできません(笑)。国の経済政策をガラッと変える権力もありません。

しかし、「現実を冷徹に見つめること」はできます。 感情論で「移民反対!」と叫んだり、「昔は良かった」とバブルの思い出に浸ったりするのを一度やめて、この変化を受け入れること。どうすればこの縮みゆく社会を維持できるか、一人ひとりが自分の頭で考えること。それが大切なのではないでしょうか。

おわりに

少子高齢化、人口減少、AI、移民。 どれも一発逆転の特効薬はありません。しかし、一つだけ確かなのは「30年前の栄光にしがみついたままではいられない」ということです。

私たちは今、世界がまだ見たことのない「超高齢化社会」の最前列に立っています。せっかくなら、この大変化をただ嘆くのではなく、少しのユーモアと覚悟を持って見届けてやろうじゃないですか。

……さて、次回はそんな今の日本と比べるために、私が若い頃に肌で感じた「バブル期の日本と周辺国との、今では信じられない経済感覚の差(第2弾)」についてお話ししたいと思います。お楽しみに!

※本記事は、筆者自身の経験や調査に基づく情報提供を目的として作成しています。
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 本記事は、投資助言、税務相談、保険加入等を推奨するものではありません。
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